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水木しげる先生のこと
話したことはないけど、みたことはある。

10年くらい前に、京都の六道珍皇寺の「迎え盆」行事のとき、
小野篁の像の前に立っていらっしゃるところをみた。

「とうとうみちゃった。」
「ぼくにもみえた。」

この世のものでないものをみてしまったみたいな、
そんな気持ちだった。

鬼太郎に出てくる妖怪の特徴を一生懸命覚えようとしていた、
子ども時代のことが思い出される。

おつかれさまでした。
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青空文庫の富田さんを追悼する夜に
残されたぼくたちに、いったい何ができるのだろうか。

そんなことを、考える夜を過ごしている。

青空文庫の創設者ともいえる富田倫生さんが、
短くも熱い生涯を閉じられてから一ヶ月あまり。

これといった答えはみつからないけど、
できることはやっていきたい。


2010年3月21日に書いたブログ。
その「奇跡のひと」は富田さんのことだったと明かして、
哀悼の気持ちを込めて、ここに再掲しておく。



「奇跡のひとと再会」 2010,03/21(Sun)

2年ぶりに友人と再会した。

柔らかさのなかに、
時代を切り開くパワーを持ったひとだ。

2年前、友人は病で死と向き合っていた。
すでに何度も死線を乗り越えていたが、
できる治療は、もうほとんどなかった。

残された方法に望みを託し、
そして、その苦しい治療をも乗り越えた。

奇跡だと思った。

数ヶ月まえ、友人のメールには、
「またどこかで、きっとお目にかかれますよね。」
と書かれてあった。

ぼくは、「またお目にかかりたいです。」と返した。

そして、その願いはかなった。

短かかったけれど、深い時間を過ごした。

別れ際、ぼくは、
「また会いましょう。」
と手を差し出した。

これが最後じゃないことを、約束して欲しかった。

友人はぼくの手を握りしめながらいった。

「また会いましょう。何度でも。何度でも。」

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

Winny開発者の訃報
Winny開発者の金子勇氏の訃報に接した。
それを否定する情報はないので、事実なのだろう。

お会いしたことはなかったけれど、何という人生……

弔辞にかえて、
2004年5月24日の京都新聞に載せてもらった文章を再掲しておく。

少し言葉足らずなところや、
いまでは状況が変わったこともあるが、
そのまま再掲しておく。



「強まる一方のデジタル著作権 Winny事件」

 パソコンのファイル共有ソフト「ウィニー」を開発した東大助手が、京都府警に逮捕された。開発者の行為が著作権法違反幇助に問えるのか、逮捕までする必要が本当にあったのか、逮捕の根拠になっている著作権法が、そもそもどういうものなのかについて、議論が広がりつつある。

 この事件で、「ウィニー」による違法なファイル交換が減り、短期的には音楽・映像業界にいくばくかの利益をもたらすかもしれない。しかし、長い目でみれば、今回のような逮捕は、誰の得にもならないだろうと、わたしは考える。

 第一に、「ウィニー」の利用者のことを考えてみよう。一説では、「ウィニー」の利用者数は、日本国内だけで百万人とも二百万人ともいわれている。京都市の全人口にも匹敵する数のひとびとが、違法とされる「ウィニー」でファイル交換をしていたことになる。つまり、それだけの数のひとが、パソコンを使ってファイルを交換するという行動パターンを持っていて、デジタル著作物への需要があるということだ。

 違法なファイル交換がはやるのは、多くの消費者がいまの音楽・映像ソフトの値段を高いと感じているからだ。ソフトの流通が独占的で、利益が「著作者」にではなく、流通の中間にいる「著作権者」に吸収されている実態が、高価格の背景にある。これらの問題に手をつけない限り、消費者の利益、さらには「著作権者」ではない「著作者」の利益は損なわれたままだし、違法なファイル交換への需要は減らない。

 ところが、法律は消費者の利益からかけ離れる方向に、変わっていく。著作権の保護期間は延ばされる一方だし、いまの国会で審議されている著作権法の改正案では、廉価な輸入盤CDまでもが、市場から排除されることになる。

 第二に、権利者のことを考えてみよう。この事件でソフト開発者が萎縮してしまうと、技術のイノベーションや、そこからのあらたなビジネス展開には、あきらかなマイナスになる。最近増えてきた音楽ファイルのダウンロード・サービスにしても、もとは音楽の権利を持たない者が作って成功したものだった。そこに利があるとみた権利者が違法サービスを潰し、似たようなサービスを有料ではじめるという構図を持っていた。つまり、違法とされる行為も、マーケット・リサーチの意味で権利者の役に立ったのだ。

 「ウィニー」は優れたソフトウェアだし、権利をクリアした著作物の共有方法として、あるいは新ビジネスの基盤として、多くの可能性を秘めていると思う。捕まるかもしれないという理由で、革新的なソフトを開発する意欲が鈍ってしまうことが恐い。

 この事件の背景にあるのは、著作権法という法律である。わたしたちは、この法律にもっと敏感にならなければならない。著作権法の改正案は、文化庁の文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会で審議されている。ところが、この小委員会は、権利者側の利益を代表する委員が、圧倒的な多数を占めている。

 著作権の保護を定着させようとするならば、著作権のあり方もまた、広く国民のあいだで議論されなければならない。そのようなときに、この委員構成は、本当にわかりにくい。

 事実、ここ十数年の著作権法改正の歴史は、度重なる権利強化の歴史でもあった。「ウィニー」で問題になっている公衆送信権にしても、デジタル時代に備えた権利強化の流れのなかで、平成九年に付け加えられたものだ。

 著作権がイギリスで誕生してからまもなく三〇〇年になる。これまでも、既得権者はいつも「著作者」の権利を後ろ盾にして、できるだけ永く権利を独占しようとしてきた。一八世紀後半にイギリスであった裁判で、著作権の永久独占が否定され、一定年限を過ぎた著作物が公有になることが確立された。その裁判を闘ったのは、なんと海賊版の出版者だった。無法者と蔑まれたひとが、結果的には文化を独占から守ったのだ。著作権をやたらと保護することばかりが文化を守ることではないこと、ときには違法とされる行為もまた文化的な意味を持つことが、歴史の事実としてある。

 この逮捕劇を通して、わたしたちは、ひとつの教訓を学んだ。インターネットは、もはや仮想でも匿名でもなく、そこでの不用意な書き込みを口実にして、現実社会の公権力が介入してくるということだ。今回のことで、ネット社会は変質していかざるを得ないかもしれない。その変質が「成熟」であることに、わずかな期待をかけたい。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

片倉もとこ先生、山口昌男先生のこと
ぼくにとって、思い出深い先生方が、あいついで他界された。

片倉もとこ先生は、しばらくまえまでぼくのボスだった。
勤務先の所長になられるまえも、なられてからも、
それほど深いお付き合いだったわけではないが、
少ない思い出のひとつひとつが、とても深いのだ。

ちょっとした献本や情報提供に、
手書きの美しいお礼状を頂戴したり、
仕事でごいっしょしたカイロとミラノでの、
何気ない会話のなかに、
厳しくも暖かい眼差しを感じたりした。

細やかさと豪胆さを持ち合わせた方だった。


山口昌男先生とは、勤務先の研究会などでごいっしょをしていたが、
それよりも学生時代の出会いのほうが、ぼくにとっては貴重なものになっている。

1984年に八王子の大学セミナーハウスであった大学共同セミナーは、
ぼくにいわせれば伝説的な催しだった。
講師陣は、山口昌男、前田愛、佐藤信夫、池上嘉彦といった顔ぶれに加えて、
当時ブレイクしたばかりの中沢新一、浅田彰といった方々が、
2泊3日のセミナーを行った。
それを企画したのが山口昌男先生だった。
ぼくはそれに参加した140名の学生のひとりで、
山口、中沢、浅田の3先生を深夜まで「監禁」して、
楽しく質問攻めにした学生たちのなかにいた。

あの空気を吸ったことが、いまの自分にとって大きな財産になっていると思う。

数年前に病床に伏されてからは、たいへんなご様子ばかりが聞こえてきた。
ご家族はもとより、先生もさぞかしおつらかったのではないかと思う。

おふたりの先生の、ご冥福を祈るばかりだ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

石岡瑛子さん:女性が隠しておきたいこと
石岡瑛子さんが亡くなられた。

会ったことはないけど、
とてもすてきな広告を作ってきたひとだった。

石岡さんのことを引用したとき、
いくら調べても調べても、わからないことがあった。

それは、石岡さんの年齢だった。


はからずも、死亡記事で御年を知ることになった。

年齢を伝えないでお悔やみを伝える、
そんなはからいが、マスコミにあってもよかったかな。

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

あるSF作家さんのこと
著名なSF作家さんが亡くなられたとのこと。

彼とは一度だけ会ったことがある。

もう20年近く前に、
ある学会の講演にそのひとが来て、
その後、酒席でごいっしょさせていただいた。

正直いって、いい思い出ではない。

かなりお酒が入っていたとはいえ、
まだ駆け出しだったわたしを含む、
その場にいた若手研究者たちに、
ずいぶん失礼なことを放言していた。

それからは、彼の名前を聞くたびに、
残念ながら、そのときのことを思い出してしまう。

「実れば実るほど、頭を垂れる稲穂かな」
そういう教訓を、ぼくに再確認させてくれた。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

マーラ先生のこと
今朝メールを開いたら、
UCLAで日本文学を講じるマーラ先生の訃報が届いていた。
享年55歳。

11月に再会したときに宴席をごいっしょし、
そのとき、末期ガンなのだと打ちあけられた。

その日おとずれた龍安寺は、すばらしく美しかったとおっしゃっていた。
ぼくにも、石庭をそんな風に思える日が来るのかな。

あのとき、別れ際に交わした握手の暖かさと、
瞳のかがやきを、ぼくは一生忘れないだろう。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

ラフルーア先生の想い出
ペンシルベニア大学のウィリアム・ラフルーア先生が、
先週の26日に亡くなられたと、
ボストンにいる、先生のお弟子さんだった友人からメールが届いた。

彼女によると急な心臓発作だったとか。

ラフルーア先生といえば、
日本の「水子供養」についての、
哀しくも美しささえある名著がある。

先生とは、
2003年に彼がぼくの勤務先の研究所に滞在していたときに、
少し見知っていた。

その後、2006年2月にテキサス大学オースチン校での
シンポジウムに呼ばれたときに、
「禅のソフトパワー」についてのぼくの発表に彼がコメントし、
彼の「生命倫理」につての発表に彼がコメントした。
とてもいい想い出だ。

彼のコメントは、ウィットにあふれていた。

「ラフルーア」はフランスの名字で、「花」という意味だから、
ぼくがフランス語の音がうまくいえなくて苦労していると、
「ハナと呼んでいいよ」といってくれた。
それからは、ときどき「ハナ先生!」と呼ばせてもらっていた。

昨年3月のシカゴでのアジア学会で、
ぼくが「禅と大衆文化」についてのセッションをオーガナイズしたときに、
ラフルーア先生にコメンテータをお願いしていた。
久しぶりの再会を楽しみにしていたら、
「やっぱり忙しくて行けない」と、
ドタキャンされてしまった。

結局、それが最後のやりとりになってしまった。

いつもユーモアを忘れなかった、ラフルーア先生。
もう一度、お会いしたかったなあ。

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テーマ : 宗教
ジャンル : 学問・文化・芸術

竹内敏晴さんのこと
竹内敏晴さんの訃報に接した。
いちどでいいから、お会いしたいと思っていた方だった。

2007年2月6日の朝日新聞で、
ぼくが書いた『禅という名の日本丸』の内容が記事になったとき、
担当記者さんが竹内さんのコメントを取ってくれた。
竹内さんは学生時代に弓術をかなりやったひとで、
1日1万本を射たという伝説もある。
その竹内さんが、ぼくの研究を支持してくれていた。

竹内さんのご著書では、
『ことばが劈(ひら)かれるとき』
が有名だけど、ぼくは
『声が生まれる』
も気に入っている。

『声が生まれる』には、
聴覚に障害があった竹内さんが、
声を獲得していった体験が、
圧倒的な筆致で書かれている。
声を出すという、何でもなさそうなことが、
じつはすごいことなんだと知った。


「いちど竹内さんと3人で飲みましょう」
と朝日の記者さんと話していたけど、
そのままになっていた。

今年の6月末にその記者さんと再会したときも、
竹内さんの話題が出た。

やっぱり会いたいなと思った。
でも、またそのままにしてしまった。


それから2ヶ月ちょっとで、竹内さんは亡くなられた。


ひとの命には終わりがある。
だから価値があって尊くて美しい。
そんなあたりまえの現実を、
ぼくたちは直視できない。

会いたいひととはちゃんと会って、
そのひとの息づかいを感じておきたい。

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