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中学校の「情報科」を創っています
今日は滋賀大附属中で、先生方向けに
「情報のみかた」
の講演をした。

滋賀大附属中さんとは、
もう3年くらいのお付き合いになる。
ぼくが書いた『情報のみかた』という本に、
そこの先生方が共感してくださって、
この本を新しく創る「情報科」という
カリキュラム開発のヒントにしたいと
おっしゃってくださった。

著者冥利に尽きることだった。

それから、ときおり附属中さんにおじゃまして、
授業を参観させてもらったりしながら、
手弁当でカリキュラム作りのお手伝いをしている。

ぼくの立場は、いまの機器操作中心の
情報教育にはアンチなので、
今日の講演で情報教育の先生方に、
それをどのように伝えたらいいのか、
ずいぶん迷ってしまった。

今日の話のポイントは、
「現実を理解し、行動する力」
「つなげる力」
にした。

結果は、道徳にも踏み込むような講演になった。


それがよかったかどうか、わからない。

有名私大の附属学校の関係の先生方や、
有名進学高校の情報科の先生や、
はるばる岩手から来られた先生もいて、
恐縮してしまった。


「情報科」がはじまったときに入学した生徒さんが、
いま3年生になって、
教育の効果がはっきりみえてきた。
生徒さんの思考力や表現力が総合的にたかまって、
教科学習にもいい影響が出ている。

情報教育の概念が変わるような波が、
滋賀大附属中さんから起こるといいな。

教育関係の方々の訪問は、大歓迎ということなので、
たくさんの先生方に、
ぜひ「情報科」の授業をみてもらいたいです。
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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

テレビの権力
今日、放送されていたかもしれなかったテレビ番組に、
出演していたかもしれなかった、やまだです。
(この二重の仮定を、よく味わってください。)

7月終わりころに、
「教養番組」のためにコメントをもらいたいと、
ある民放の下請け会社から
ビデオ取材のファックス打診があった。

ちょっと考えてから、
「勉強してきたことが役に立つなら」
とOKした。

収録予定の候補日まで書かれてあったけど、
ほんとうに取材に来るかどうか怪しかったし、
予定を空けたりもしなかった。

まえにも、テレビ出演の打診があってOKしたけど、
それから何の音沙汰もなかったことがあったからだ。

結果は、思ったとおり、それから何の連絡もなかった。

予想通りになるとは驚きだったが、
はっきりいって、
「テレビ業界のひとは失礼じゃないか」
と思う。


今日、その番組が放送されるはずだったのだが、
新聞のテレビ欄をみたら、
その番組の時間は、別の特番に代わっていた。
おおかた、企画そのものが流れたのだろう。

それならそれで、そのことを連絡してくるのが、
社会常識というものだ。


ぼくの友人に、テレビ出演の依頼を断ったら、
逆ギレされたというひとがいる。
あまりの高慢さに、彼女は驚き、怒っていた。

きっとテレビ業界のひとは、
自分は偉いんだとでも思っているのだろう。

近寄りがたいような
すごい美女でも、学者でも、
スポーツ選手でも、政治家でも、
「テレビに出してやる」といえば、
がらりと態度が変わるもんだと、
彼らは学習してしまったんだろう。


研究者がいう「テレビの権力」批判は、
いつも抽象的な議論ばかりだけど、
ほんとうに批判すべきは、
下請け会社の若者にまではびこっている、
テレビ業界人の、鼻持ちならない特権意識なのだ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

明治の百科事典データベース、本日追加公開!
連休終わりましたね。

ご家族やご先祖さまとの「つながり」を
強くされた方も多いことでしょうね。

ぼくのほうは、仕事に追われていて、
あまりそれどころじゃなかったです。

でも、論文の校正を2本と、
連休前に飛び込んできた短い依頼原稿1本と、
データベースの公開準備作業を仕上げ、
懸案だった新プロジェクトの仕込みがかなりできたので、
仕事面では充実した連休になりました。

適度に息抜きもできたしね。



さて、
日本史や国文学のひとはおなじみだと思うけど、
明治から大正時代に作られた、
『古事類苑』というすごい百科事典がある。

日本文化のあらゆる概念について、
明治以前の文献のどこに
どういう記載があるかの網羅的な事典だ。

全部で67,000ページ以上あるこの事典の
全文をテキスト入力するプロジェクトを、
もう5年くらいつづけている。

そのうち、「地部」という分冊の2冊分、
約2,800ページ分(約260万文字!)のデータを
本日、追加で正式に公開した。

興味のあるひとは覗いてみてね。

http://ys.nichibun.ac.jp/kojiruien/

『古事類苑』の残り全部をデータベース化するには、
いまのペースでいくと、生きているあいだに終わらない。

このプロジェクト、
これからどうしたらいいか、考え中……。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

古武術を現代に活かす
少しまえになるけど、
剣豪小説家で友人の多田容子さんから、
『新陰流 サムライ仕事術』という新著をいただいた。

武術の伝書なんてものは、
実践経験がないと、読んでもさっぱりわからない。
「水月」とか「神妙剣」とか「無刀」とか、
柳生新陰流がいってることで気になることが
いくつかあるのだけど、
『兵法家伝書』を読んでも、よくわからなかった。

そういう教えを、多田さんは、
現代にひきつけて、わかりやすく書いてくれている。
しかも、説教臭くなく仕上げているところがすごい。

たとえば「無刀」の教えを多田さんは、
「すごい知識がある相手でも、観点の違いで勝負できる」
と置き換えてくれる。

なるほど。


多田さんとは、共通の知り合いの紹介で、
ぼくの研究室へ遊びに来てくれたことがご縁で交流がある。

剣豪小説家らしく、
いつも竹刀やら手裏剣やらを持ち歩いておられて、
話に熱を帯びてくると、竹刀を取り出して、
研究所の廊下だろうと、料理屋さんだろうと、
所かまわず「実演」がはじまる。
とてもおもしろいひとなのだ。

あるときには、
多田さんに請われるままに竹刀で打ち込むと、
狙った腕がフッと消えて
(よけたというより、消えたという感じ)
つぎの瞬間には、多田さんの竹刀の剣先が、
ぼくの喉元にあった。

体の使い方ひとつで、
そんな素早い動きができるんだそうだ。


先日、NHKの
「プロフェッショナル 仕事の流儀」の
井上雄彦さんの回をみていたら、
井上さんのデスクのすぐ後ろの本棚に、
多田さんと甲野善紀さんが書かれた
『武術の創造力』があった。
(多田さん、気がつきましたか?)

一流の創作者が座右に置いてくれる本、
一冊でいいから創りたい。

新陰流 サムライ仕事術新陰流 サムライ仕事術
(2009/07/23)
多田 容子

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武術の創造力―技と術理から道具まで (PHP文庫)武術の創造力―技と術理から道具まで (PHP文庫)
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テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

校正なんて嫌い!
校正という作業は、どうもすきになれない。
自分の日本語力と注意力のなさを、
思い知らされるからだ。

原稿を入稿するまえに、
表記の統一なんかは
何度も何度もチェックしたつもりなのに、
プロの校正者の手にかかると、
表記のゆれや日本語のまちがいが、
ボロボロと指摘されてくる。

「反面」のほかに「半面」ていう熟語があったなんて、
いままで知らなかったよ~。


いま校正している論文が載る学術誌は、
出版社が専門の校正会社に出してくれているので、
いつもマニアックな赤字が入ってくる。

国会図書館へ行かないとないような資料の、
原文照合までされてあって、感動したこともある。

資料名に当て字が使ってあるものなんかは、
「間違いじゃないの?」
と校正者が赤字を入れてくるけど、
「当て字が正しいんだよー」
と指示をいれるときは、
なんか自分が学識あるひとみたいに思える。


ぼくが校正嫌いなもうひとつの理由は、
注意力がつづかないことだ。

だいたい、プログラミングがすきになるひとには、
注意力と忍耐力がいる、
比較的単純な作業が苦手なタイプが多い。
コンピュータはその手の仕事をさっと片付けてくれるので、
たのもしい相棒みたいに感じるんだ。

校正も注意力と忍耐力がいる、どちらかというと単純な作業だ。
朝一番なら1時間くらい集中できるけど、
そのあとは30分、15分、10分と、
集中していられる時間が短くなっていく。

つい、ごろんと横になったり、メールを開いたり、
ブログを読んだり書いたりしてる。

「こらー、赤ペン離すなー。」
誰か、しかってくれ。

【今日の写真】
SN3E0034.jpg
夏が過ぎてもけなげに咲いた、白い小さな木槿。

テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

不肖の弟子とは
不肖の弟子ということばは、
ぼくのためにあるのかもしれないと思った。

学生時代の恩師、星野克美先生から
昨日、ご著書が届いた。
これから起こる地球と人類の危機を見据え、
古今の思想を縦横に駆って、
その解決の糸口を探っておられる。


大学2年くらいから修士課程ころまで、
先生の広くもない研究個室のなかの机を、
自由に使わせてもらっていた。
その机は、先生の机のすぐ後ろにあった。
文字どおり、先生は背中でぼくを教育してくださった。

学部とは専門が異なる大学院へ進んでからは、
直接教えを受けることは、あまりなくなった。
それでも、いままでに何度かいただいたお手紙には、
人類を救うような、スケールの大きな研究しなさい、
と書かれてあった。

いまのぼくは、目のまえにある些末な課題を
片付けることで、精一杯だ。
全人類的なスケールの研究とは、
ほど遠いところにいる。

師を越えることが、弟子の義務だと思う。
だけど、
これから何年生きられるわからないが、
恩師が到達された高みに、
たどり着く自信はまったくない。

地球環境文明論―文明革命のために地球環境文明論―文明革命のために
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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

竹内敏晴さんのこと
竹内敏晴さんの訃報に接した。
いちどでいいから、お会いしたいと思っていた方だった。

2007年2月6日の朝日新聞で、
ぼくが書いた『禅という名の日本丸』の内容が記事になったとき、
担当記者さんが竹内さんのコメントを取ってくれた。
竹内さんは学生時代に弓術をかなりやったひとで、
1日1万本を射たという伝説もある。
その竹内さんが、ぼくの研究を支持してくれていた。

竹内さんのご著書では、
『ことばが劈(ひら)かれるとき』
が有名だけど、ぼくは
『声が生まれる』
も気に入っている。

『声が生まれる』には、
聴覚に障害があった竹内さんが、
声を獲得していった体験が、
圧倒的な筆致で書かれている。
声を出すという、何でもなさそうなことが、
じつはすごいことなんだと知った。


「いちど竹内さんと3人で飲みましょう」
と朝日の記者さんと話していたけど、
そのままになっていた。

今年の6月末にその記者さんと再会したときも、
竹内さんの話題が出た。

やっぱり会いたいなと思った。
でも、またそのままにしてしまった。


それから2ヶ月ちょっとで、竹内さんは亡くなられた。


ひとの命には終わりがある。
だから価値があって尊くて美しい。
そんなあたりまえの現実を、
ぼくたちは直視できない。

会いたいひととはちゃんと会って、
そのひとの息づかいを感じておきたい。

命をつないでいくために。

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テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

仲よくしてね、ひこねのにゃんこたち


7月に彦根へいった。
それからぼくのかばんには、
2匹のにゃんこが付いている。
「ひこにゃん」と「ひこねのよいにゃんこ」だ。

いま、このこたちが、騒動に巻き込まれている。

「ひこにゃん」も「ひこねのよいにゃんこ」も、
作者はおなじひと。

「ひこにゃん」の著作権は彦根市が持っていて、
かなり厳しく管理している。
「ひこにゃん」を使ったグッズには、
すべて彦根市の許諾番号が入っている。

そこへ、「ひこにゃん」の作者が
「ひこねのよいにゃんこ」を作った。
その経緯は複雑だから省くけど、
「よいにゃんこ」は、
彦根市が持つ著作権を侵害していると、
市側はいう。

著作権は著作者を守っているのだという、
欺瞞と誤解が露呈する展開になっている。

ぼくが『日本文化の模倣と創造』や
『<海賊版>の思想』で書いてきたように、
著作権は、「著作権者」を守っているのであって、
「著作者」を守っているのではないんだ。


彦根市のほうは強硬だ。
「よいにゃんこ」を売っている四番町スクエアに
販売中止を要請した。
スクエア側が従わなかったので、
市側はスクエアを運営する3セクから
副市長らの取締役を辞任させた。


四番町スクエアで、カップルが
「よいにゃんこ」を買おうとしていた。
彼女のほうが「ひこにゃん」じゃないことに気がついて、
「あぶない、あぶない」と
「よいにゃんこ」を棚へ戻していた。
まるでバッタもん扱いだ。
どちらもおなじひとの作品なのにね。

「著作者」と「著作権者」のあいだで
引き裂かれたにゃんこたち。
ぼくのかばんでは、仲よくさせてあげてます。



彦根へ行った目的は、四番町スクエアの
ハイパーソニック・サウンドを体験することだった。

人類が誕生した熱帯雨林の音環境を再現したもので、
人間の脳に必要な音情報が豊富に含まれている。
尊敬する情報環境学者・大橋力先生の渾身の作だ。

その空間にいるときは、それほど感じなかったけど、
離れたとたん、体の周りから何かが遮断されて、
空虚な感じになるのが、はっきりわかった。

これは体験しないとわからないので、
ぜひ彦根へ行ってみるといいよ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

ぼくの仕事術(3)
ぼくには仕事をしていくうえで、
絶対に守るよう努力している鉄則がある。

それは、「締切を守る」こと。

プロの仕事には締切がある。
仕事を受けるときには、
締切日もいっしょに引き受けているんだ。
それを守れないのは、プロじゃない。

ところが、
大学の先生には、
締切に無頓着なひとが
すっごく多い。

締切日とは、執筆を思い出す日のことだと
思っているみたいだ。

しかも偉い先生ほど、締切を守らない傾向がある。


むかし『日本妖怪学大全』を分担執筆したときに、
編集の担当者から聞いた。
ほとんどの執筆者(大学の先生たち)が締切を落とすなかで、
誰がどうみてもいちばん忙しい
京極夏彦さんはきちんと締切を守ったと。

さすが、超一流のプロの書き手だと思った。
彼とくらべたら、大学の先生はアマもいいとこだ。

そりゃ、ぼくだって
どうしようもなくなって、締切を落としてしまうことはある。
でも、そういうときは、
間に合わないのがはっきりした時点で、
責任者に連絡してお詫びをする。


それから、「発表時間を守る」ことも
プロの鉄則だ。
時間は限られた資源だ。
ひとりで時間を消費してしまうのは、
ほかのひとの時間を奪ってしまうことだ。

ところが、発表時間を守らないひとも
すっごく多い。
人文系の先生には、とくに多い。

そんな発表に限って、
話がオーガナイズされていなくて、
けっきょく何がいいたいのかよくわからない。

困ったもんだ。

日本妖怪学大全日本妖怪学大全
(2003/03)
小松 和彦

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テーマ : 仕事のヒント☆
ジャンル : 就職・お仕事

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