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”弓と禅”の周辺
NHKの金光さんからお電話をいただく直前まで、
「宗教の時間」などという番組でしゃべる運命が待っているなんて、
考えたこともなかった。

現実はいつも、想像をはるかに超えている。

なんといっても、戦前からやっているというし、
NHKではあの「のど自慢」につぐ長寿番組だ。

テーマは「”弓と禅”の周辺」。

ちょうど、スティーブ・ジョブズが『弓と禅』を読んでいたというので、
ちょっとしたリバイバルが起きているので、タイムリーな企画になった。

だけど、出演の話をいただいたのはジョブズが亡くなるより前だったので、
けっして『弓と禅』のリバイバルに便乗した企画ではなかったことを強調しておきたい。

オン・エアは、12月4日(日)8時半から。
NHKラジオ第2放送です。

何をしゃべったかよく覚えてないので聞くのが恐いのだけど、
詳しいことは『禅という名の日本丸』に書いてあります。

禅という名の日本丸禅という名の日本丸
(2005/04)
山田 奨治

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テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

公益を害する官の論理
朝日新聞で連載されている「プロメテウスの罠」がおもしろい。

学術研究に官が介入して、
どれほど公益を害することになったかが、
極めて具体的に書かれてある。

8日の記事には、
原発事故が起きているのに、
放射線の観測予算が打ち切られそうになったときに、
研究者同士が消耗品をこっそり融通し合ったとあった。

それを読んだとき、
こんな風に書かれるとまずいのではと思ったが、
やはりその後、ひともんちゃくが起きたようだ。

誰がそんな融通をしたのか、文科省が調べはじめたのだそうだ。

そのことを今日の記事では、
「半世紀以上も続いてきた観測が途絶えることには興味を示さず、継続のために研究者が融通し合った消耗品の行方には過敏に反応する」と皮肉っている。

これほど官の体質を言い当てた表現はない。

官は学術的な必要性よりも、研究者にルールを守らせることに関心がある。

記事によると、融通した消耗品分を返金してもらわねばならず、
それは財務省の指示だと文科省の官僚はいう。
かたや財務省の官僚は、予算執行は各省の責任でやることだとうそぶく。

国家の大事にあたってではないにしても、
国立大学など公的機関に所属する研究者に対する
官からのこの種の圧力は、日常的にある。

国の予算の場合、だいぶゆるやかになったとはいえ、
原則として年度内にお金をきれいに使い切らないといけない。
1円たりとも残してはいけないのだ。

仮に創意工夫をして予算を節約したら、
褒められるのが常識だと思うのだが、
官の論理では、それは当初の計画が甘かったせいだとマイナスにみられる。
どうして予算を使い残すことになったのか、
なぜそれを次年度に繰り越さないといけないのかの説明を要求される。

たとえ原発事故のような危機に対応するためであっても、
消耗品を「こっそり融通」したら、それは「不正」になる。

かくも、官の論理は世間の常識からかけはなれている。
だから、無駄遣いや研究費の「不正使用」が後を絶たない。


「プロメテウスの罠」は、ぜひ書籍化してほしい。

テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

TPP:日本はスネ夫になるのか
TPPを農業対工業の問題だと国民に思わせようとしてきたのが、
政府ならびに大メディアの作戦のようだったけど、
ISD条項やなんかが知れ渡るようになって、
その手は通用しなくなってきた。

そう、
関税率のことよりも、
非関税障壁の撤廃と称して、
国に固有の制度を破壊してしまうことが、
TPPのいちばんの問題なんだ。

著作権関係でいえば、
保護期間延長と非親告罪化は、
まちがいなく対象になる。

それに、そもそも、著作権のことは、
国民的な関心事になっていない。
というより、国民に気付かれないように、
業界が好き放題に制度をいじってきた分野だから、
業界のロビイングが強い方向性へと、
交渉は自然に進むだろう。

つまり、保護期間は延び、非親告罪化されることになるだろう。
それは、ある意味、日本側が望むことでもあるから、
譲歩にはならず、交渉の取引材料にもならない。



アメリカがジャイアンなら、
TPPで日本はスネ夫になって、
アジアののび太たちから、
搾取する片棒を担ぐ国になるということ。

アジアの成長を取り込むとは、そういうことだ。

ついでに、自分のところの雇用も差し出して、
ジャイアンのご機嫌を取るということ。

結果として、これから10年のあいだに、
日本でおそらく数万人くらい自殺者が増えるだろう。

TPPに参加するということは、
アメリカの雇用を生み出すために、
日本国民の命を差し出すことも、いとわないということだ。

しかし、それをもって売国だのなんだのと、
ナショナリスティックな言論と結びつけることには同調できない。

これは、ジャイアンなアメリカと、アジアの隣人たちとのあいだで、
日本がどのようにして、名誉ある地位を築くことができるかという問題だ。

推進派は、いずれ中国もTPPに取り込むのだといっているらしいが、
ルール作りに乗り遅れると不利だからと、急いで交渉に飛び込んだくせに、
ルールが出来上がったところへ中国を入れるのだといっても、
ぜんぜん説得力がない。
それが妄言であることは、子どもでもわかる。

交渉に入れば情報を出すと政府はいうが、
そんなことを期待できるはずがない。

だって、これは外交交渉である。

アメリカが要求する秘密主義のことは、
交渉参加国のあいだで、すでに問題になっている。

国民は何も知らされないままに、
業界のプッシュを受けた政府の一存で、
交渉はまとめられるだろう。

著作権にかんしては、
文化審議会なんかをすっとばして、
TPPで強化をこっそり決めてもらうことを、
業界ならびに経産省は待ち望んでいる。

またしても国民は蚊帳の外に置かれ、
どこかで決められたことに、従わされるだけの存在となる。

もちろん、これらの予想がはずれることを願っている。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

ジョブズと『弓と禅』
CIMG0418.jpg

ヘリゲルの『弓と禅』に、新しい帯が付いて売られていた。

典型的な「帯買い」をした。



スティーブ・ジョブズの生涯の愛読書!
彼の人生に大きな影響を与えた「禅」、
その道に傾倒した若き日のジョブズが出会った運命の一冊。
すべてはここから始まった…




これが、ジョブズ本のコーナーに並んでいた。

たしか毎日新聞で、ジョブズがこの本を読んでいたと紹介をされたので、
版元さんが増刷をかけて、この帯を付けたみたいだ。

こうやって、古典が新たな読者を得るのは、いいことだ。

『弓と禅』を読み終わったら、
つぎはぜひ『禅という名の日本丸』を読んでほしい。

禅という名の日本丸禅という名の日本丸
(2005/04)
山田 奨治

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2011年12月24日追記:

このエントリは人気があるようなので、
『禅という名の日本丸』での論点をまとめておく。

まず、ヘリゲルの書いたことはいくつかの基本的な事項で、事実と異なる。
たとえば、弓を修行した期間をヘリゲルは6年と書いているが、
事実関係を照らし合わせると3年とちょっとである。
ヘリゲルは日本語がほとんどわからず、
師匠とのやりとりを正確に記録してはいない。
なかでも、「暗中の的」のときの師匠との会話はあやしい。
「それが射る」も誤解である可能性がたかい。

ヘリゲルは日本に来る以前に、ハイデルベルクの日本人留学生から禅の知識をかなり得ていた。
来日前に禅についてのドイツ語のアンソロジーの編集もしていた。
西洋での禅の紹介者になるのだという、野心すらあったようだ。
日本に来て禅を知ったという『弓と禅』のプロットも、事実関係をみると成り立たない。
ヘリゲルの師匠が説いたのは独自の宗教的な弓術であって、禅そのものではなかった。

帰国後ヘリゲルはナチ党員になりエルランゲン大学の学長にまでなった。
戦後はナチスへの「消極的な同調者」と認定され、公職を追われた。
以上の事実を、ヘリゲルの紹介者らはひた隠しに隠してきた。

日本文化はすばらしいと、西洋人からお墨付きをもらう――
ヘリゲルの『弓と禅』はそのような目的のために、
日本側によって、無批判に利用されてきた。


ジョブズが愛読したという、不確かな宣伝文句も、
けっきょくはそういう構図を反復しているだけのことなのだ。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

TPP交渉参加:政治判断という名の官僚言いなり
野田首相がTPP参加に意欲的だ。

最終的には政治判断をするのだというが、
それは、経産官僚の言うとおりにする、という意味のようだ。
(Mという経産官僚の個人名が取りざたされているが、真偽のほどは確認してない。)

G20で消費増税10%という、
国内でも民主党内でもコンセンサスのないことを、
勝手に国際公約してきたのも、
さしずめ財務官僚のいうことにしたがったのだろう。

官僚の言いなりになっているこの内閣に、
TPP交渉をまかせたら、危ない。

テーマ : 日本文化
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黄桜とえびせんをつなぐひと
ある新聞社からの依頼で、
カッパについての短いコラムを書くことになった。

京都でカッパといえば、黄桜なんやけどな、
とか、つらつらアイデアを練りながら、
えびせんをつまんで、はっと気付いた。

「えびせんは、なんで『かっぱえびせん』なんや?」

パッケージにも、中身にも、
カッパを思わせるものは何もない。

こういうときに、ネット検索は役に立つ。

すると、黄桜とえびせんを、
つなぐひとが、おったんや。

興味のあるひとは、調べてみてください。


ちなみに、新聞コラムには、このネタは書きません。

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