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自炊代行提訴:出版業界は読者のニーズに応えよ
出版業界が、自炊代行業者を提訴したそうだ。

本棚があふれて、仕方なく蔵書の一部を電子データに変えて持っておくというケースなら、
自炊代行もありだと思う。
だけど、ネット書店で買った新刊本を自炊代行業者に直送してもらって、
データだけ受け取るという使い方を、ぼくはしようとは思わない。

読書体験とは、本ごとに異なる重さや厚さ、紙の質感、インクの色合い、
活字や装丁の鑑賞も含む、物理的で総合的な体験だと思うから、
それを最初から放棄する気はない。


だけど、自炊代行の利用が増えるということは、より自由度の高い電子本への、
読者のニーズが確実にあるということで、
代行業者が増える原因は、
使い勝手の悪いサービスしか提供しない出版業界にもある。

現在主流の電子出版は、読者ニーズを満たしていないということでもある。
多くはプラットフォームが固定されているし、
電子書籍への限定的なアクセス権が認められるだけで、
電子データを「所有」できるわけではなく、譲渡もできない。
自分が買った本のリストを、知らないひとに持たれてしまうような仕組みにも抵抗がある。

電子版で書籍を「買う」という表現は実はまやかしで、
書籍データへの限定的なアクセス権が買えるだけのことだ。
それならば、紙の本をスキャンしたほうがよく、
料金が安ければ代行してもらいたいと考えるひとがいても、おかしくない。


それにしても、あいも変わらず作家たちが会見させられ、
訴訟に名前を連ねさせられているが、
人気作家でも取り分はたかだか10~15%である。

残りの90%近くを持って行くひとたちのために、利用される作家たちが気の毒だ。
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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

ウィニー裁判、私的録画補償金訴訟
年末でバタバタしているあいだに、
著作権関係で大きな出来事がいくつかあった。

まずは、ウィニー裁判での最高裁無罪判決。

元東大助手のひとが逮捕された2004年5月に、
ぼくは京都新聞につぎのようなコラムを書いた。

・長期的にみれば、今回の逮捕は誰の得にもならない。
・消費者にとってコンテンツが高価なものである限り違法ファイルの流通は止まらないのに、権利者は法律を厳しくして違法なことを増やして抑え込もうとしてきた。
・開発者が萎縮するとイノベーションが滞り、権利者にとっても新ビジネスの可能性が減る。
・著作権法を変える委員会の委員構成には偏りがある。

逮捕は京都府警ハイテク犯罪対策室の勇み足だと思っていたが、
そういう認識が最高裁判決でも認められたわけだ。
もちろん、開発者が逮捕されることで改良ができなくなり、
その間にウィニーによる情報流出が多発したことの責任が、
京都府警と検察にあることはいうまでもない。
(とはいっても、たぶん誰も責任を問われることはないだろう。)


もうひとつは、私的録画補償金の徴収協力義務違反をしたとして、
私的録画補償金管理協会(SARVH)が東芝を訴えた裁判の2審で、
東芝側が再び勝ったこと。

ぼくの意見は、去年の12月28日のエントリのとおり。
さらにいうなら、ダビング10がかかっている録画機器にまで、
補償金をかけるのは根拠が薄いと考えている。

SARVHとしては存続にかかわる問題だけに、必死だろう。

私的録画補償金として徴収されている金額は、
年間25億円くらいだろうか?(今年度は震災の影響で、かなり落ち込みそう)
映像産業の市場規模からすれば、微々たるものだ。
補償金がなくなっても、映像産業にとっては、たいした打撃にはならない。

私的録画補償金がなくなったら困るのは、SARVH自身だけなのでは?

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「絆」という字
今年の漢字は、予想通り「絆」になった。

日本のあちこちに、「絆」という字があふれているのをみてある外国人が、
「何だか日本人は内向きに小さく固まっているようで、よくは思えない」とぼくにいった。

ぼくは「無縁」化していた日本社会が、
よい方向に変わったと思っていたのだけど、
そういわれると、そういう面もあるかもしれない。

「絆」は国内だけの「絆」じゃなく、
国境を越えた「絆」もたくさんあってほしい。

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「ハーバードを占拠せよ」
CIMG0557.jpg

いま、ハーバード・ヤード(大学の中心部)の
柵で囲われたエリアの門がすべて閉ざされて、
部外者は立ち入り禁止になっている。

何週間かまえかららしいが、
全米のあちこちで起きているOccupy(占拠)運動が、
ハーバードにも飛び火したからだ。

CIMG0562.jpg

正門からのぞいてみたら、
ジョン・ハーバードの銅像のまえに、
学生が張っているテントがいくつかみえる。

Occupy運動は、1%の大富豪が残りの99%から搾取している、
いまのアメリカ社会の構造に抗議するものだ。

その1%を生み出しているともいえる、
ハーバード大の学生がOccupyに参加するのは、
社会はもっと公平であるべきなのだという、
学生の良心というか、義憤が表れたものだろう。

金持ちの肩を持つ教授の講義をボイコットする運動も起きているらしい。

だが、門の外からのぞきみた限りでは、
ここではそれほど大きなうねりになっているようにはみえなかった。

やはり、他のOccupyとは、ちょっと性質が違うのかもしれない。

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ハーバードの書店にて
CIMG0551.jpg

2年ぶりにハーバードを訪ねている。

上の写真はどこでしょう?
図書館じゃないよ。

答えはハーバード・クープ(生協)の本屋さん。

そこいらじゅうに机が置いてあって、
学生さんが、どうみても書店の本(!)で勉強している。
みていると、ペーパーバックの背表紙を折ったりして、
けっこう乱暴に本を扱っている。

太っ腹というか、
ああやって読んだ本の何冊かを買ってくれたらそれでいいのか、
それとも未来の読者を育てるためなのか、
どういうビジネスモデルなんだろう。

日本ではジュンク堂さんが店内にベンチを置いてるけど、
ここまでのことはやれないだろうな。

CIMG0552.jpg

入口のところでは、美人の姉妹(?)による、
ヴァイオリンと歌のミニコンサート。
(ついでにCD販売。)
こういう試みは、日本の書店さんでもやってもいい。


クープでは、流行のSteve Jobsや、
お膝元でもあるMichael SandelのJusticeとならんで、
いや、それら以上に目立って置かれていたのが、
Daniel KahnemanのThinking, Fast and Slow
(この本は、ハーバードのぼくの友人も大絶賛していた。)

Kahnemanによると、人間の思考には、
素早く、直感的で、感情的なSystem 1と、
遅く、思慮深く、論理的なSystem 2とがある。

怒った顔をみて「怒っている」と判断するのがSystem 1。
計算問題を解くようなのがSystem 2。

System 1の欠点は、判断をよく間違えること。
System 2の欠点は、思考を持続できないこと。

まだ読んではいないが、
いろいろインスピレーションを与えてくれそうな本だ。

Thinking, Fast and SlowThinking, Fast and Slow
(2011/10/25)
Daniel Kahneman

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