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ACTAに対するEUの懸念とは
5月31日に、EUの三つの委員会、
Civil Liberties Committee (LIBE)
Industry Committee (ITRE)
Legal Affairs Committee (JURI)
で、日本発の協定であるACTA(偽造品の取引の防止に関する協定)に関する投票があった。

日本では報道されないので、その名もほとんど知られていないし、知ったところで、
偽造品を取り締まる協定?結構なことじゃない?
程度にしか思われていないようだが、
EUでは今年はじめあたりから、広い市民層を巻き込んだ大騒動になっている。

これまでの経緯については、ここを参照。

さて、その三つの委員会での投票は、すべてACTAを否定する結果になった。

EUの市民や議会は、いったい何を懸念しているか、軽くまとめておきたい(情報源はここ)

LIBEでは、ACTAに賛成1、反対36、欠席21。
反対理由:
・ACTAは、EU Charter of Fundamental Rightsにそぐわない。
・偽造品への対策は必要だが、それは個人の生活を尊重し、個人情報を保護するものでなくてはならない。
・ACTAはその点で、多くのあいまいな部分を持っている。
・インターネット・プロバイダーは、ネットを取り締まってはいけない。

ITREでは、ACTA賛成6、反対25。
反対理由:
・ACTAは知財権のバランス、ビジネスの自由、個人情報の保護、情報交換の自由を損なう。
・ACTAの知財へのアプローチは、各セクターの特質を無視しており、欧州の企業に法的な不確定さをもたらす。

JURIでは、ACTA賛成2、反対10、欠席2。
・Gallo議員から提出されていたACTA賛成意見(欧州議会のLegal Serviceに賛成意見がある、ACTAは新しい知財権を創らない、など)を否決。

数からいえば、ACTA反対派の圧勝である。

今後の予定だが、6月9日には欧州全体で、再び大規模なデモが企画されている(日本でもやるようだ)。
その後、ACTAを所管するInternational Trade Committeeが6月21日にある。
それを受けて、7月初旬の全体会議でEUとしての最終的な意志決定がなされる。
そこでも否決されたら、EU構成国のすべてがACTAに参加しないことになる。
(ACTA自体は、どこかの6ヶ国が批准したら発効する。)


ぼくはいま日本にいないからわからないのだが、
こうした動きを日本のマスコミは、まだ伝えていないのだろうか。
日本はACTAの提唱国なのだから、
EUでの相次ぐ拒絶の動きに対して、
官邸や外務省や経産省は、何か説明をしたらどうかと思うのだが、
そんな動きは聞こえてこない。
(あるいは例によって、水面下でやってるのかもしれないが。)

日本は野田政権が昨年署名し、国会での批准を待つ段階に来ている。
もともと自公政権下で進められた交渉だし、待ったをかける有力な政党は、いまのところなさそうだ。


ACTAに拒否反応が起きている最大の理由は、
それが秘密交渉で進められてきたことにある。

市民生活に密接にかかわる領域で、ルールメイキングに透明性が欠けるとどうなるのか。
少なくとも欧州での今回のケースについては、手痛いしっぺ返しを受けているといっていいだろう。

TPPも、違法ダウンロード刑罰化もそうだが、
秘密でルールを決めるようなやり方は、
この世界ではもう通用しなくなるんだということを、
みんなが学ぶきっかけになるといい。
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