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ハーバードの授業見聞記
春学期は、あるジェネラル・エデュケーション(一般教養)の科目を聴講している。

学生の授業負担は、苛酷である。

その科目では、教授による1時間の講義が週に2回、
映像資料のスクリーニングが週1回2時間、
大学院生が担当する少人数のディスカッション・セッションが週1回1時間くらい。

ディスカッションでは、専門論文を毎週3本くらい読んでこなくてはならない。

小エッセイは毎週提出、中間エッセイが1本、グループによる映像制作が1本、
そして最終筆記試験のほかに最終エッセイの提出もある。

一般教養の一科目ですらこれだけ勉強させられるのだから、
他も推してしかるべしだ。

学生はみな勉強に必死だし、頭がいいと思う。
日本の大学でおなじことをしたら、
東大生・京大生でも誰もついてこれないのでは?


教員は日本とくらべて楽そうにみえる。
1学期は13週で、年間2学期だし。
途中にサンクスギビング、クリスマス、イースターなどの休暇が入る。

教授の授業負担は、1週間で6時間程度らしいし、
なんと3年授業したら、つぎの1年は研究休暇をもらえる。
休暇中は給料が半分になるらしいが、
もともと日本の教授の2倍はもらっているので、
経済的にはどうということはないだろう。

ほっといても、いい仕事をしてくれる教員に、
たっぷりの時間と、たっぷりの給料を与えていたら、
そりゃ、世界一の大学にもなるわな。
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テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

アメリカぽい日本語・英語
日本語のローマ字をアメリカ人が発音するとこうなる。

Yamada→ヤムエィダァ
Honda→ハンダァ
Mazda→マズダァ
Toyota→トゥヨゥタァ
karate→コロティ
Kazue→カズー
Ieyasu→アイエィアスゥ
Ryu→発音不能

規則を推察するに、
yamみたいに英語にある音節は、それをまず読んでしまう。
Aはしばしば「オ」「エィ」になる。
Oはしばしば「ア」になる。
Iはしばしば「アイ」になる。


日本の学校ではあまり習った記憶はないけど、
アメリカ生活で使わない日がないような表現は、
"How are you doing?"というあいさつ、
"Have a good day!" "You too." "Thank you."という会話。

誰かに向かって話すときに、guysをたくさん入れるとアメリカっぽくなる。
"Have you guys seen the movie?"みたいに。

1年にわたるアメリカ生活も、そろそろおわりです。

テーマ : アメリカ生活
ジャンル : 海外情報

片倉もとこ先生、山口昌男先生のこと
ぼくにとって、思い出深い先生方が、あいついで他界された。

片倉もとこ先生は、しばらくまえまでぼくのボスだった。
勤務先の所長になられるまえも、なられてからも、
それほど深いお付き合いだったわけではないが、
少ない思い出のひとつひとつが、とても深いのだ。

ちょっとした献本や情報提供に、
手書きの美しいお礼状を頂戴したり、
仕事でごいっしょしたカイロとミラノでの、
何気ない会話のなかに、
厳しくも暖かい眼差しを感じたりした。

細やかさと豪胆さを持ち合わせた方だった。


山口昌男先生とは、勤務先の研究会などでごいっしょをしていたが、
それよりも学生時代の出会いのほうが、ぼくにとっては貴重なものになっている。

1984年に八王子の大学セミナーハウスであった大学共同セミナーは、
ぼくにいわせれば伝説的な催しだった。
講師陣は、山口昌男、前田愛、佐藤信夫、池上嘉彦といった顔ぶれに加えて、
当時ブレイクしたばかりの中沢新一、浅田彰といった方々が、
2泊3日のセミナーを行った。
それを企画したのが山口昌男先生だった。
ぼくはそれに参加した140名の学生のひとりで、
山口、中沢、浅田の3先生を深夜まで「監禁」して、
楽しく質問攻めにした学生たちのなかにいた。

あの空気を吸ったことが、いまの自分にとって大きな財産になっていると思う。

数年前に病床に伏されてからは、たいへんなご様子ばかりが聞こえてきた。
ご家族はもとより、先生もさぞかしおつらかったのではないかと思う。

おふたりの先生の、ご冥福を祈るばかりだ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

『〈海賊版〉の思想』英訳をCCライセンスで公開
『〈海賊版〉の思想-18世紀英国の永久コピーライト闘争』の英訳が完成しました。

3年半くらいかかりました。
長かったです。

日本語版をそのまま訳したものではなく、
誤謬を正し、最新の研究を反映させ、構成も少し変えてあります。

PDFをクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(BY-NC-ND)で公開しています。
もし気に入っていただけたら、どんどんコピーして、いろんなところへ転載してください。

オリジナルサイト
Google Books
Scribd.

とはいっても、英語で読むのはたいへんなので、
日本語の原書でお読みいただけたらと思います。

〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争
(2007/12/20)
山田 奨治

商品詳細を見る

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

ディジタル・ヒューマニティーズは便利な言葉
最近よくきく、Digital Humanitiesという言葉。
今日はハーバードで、そのDHについての小さなシンポがあるというので、出かけてみた。

パネリストは、
ひとりはネットでのコラボレーションを語り、
ひとりは遠隔教育を語り、
ひとりは成果のネット公開を語り、
ひとりはバスケット分析などのマーケティング科学を語った。

それらをみんなDHでくくっているわけだが、
個別には以前からある分野だし、
困ったことに、どれひとつとして、Humanitiesの研究ではないのだ。

少々手前味噌にはなるが、
三中さんたちが編集した『文化系統学への招待』が見せる世界のほうが、
学問的にはよっぽどしっかりしている。

興味深いのは、この催し自体が、
キャリア・デベロップメントの一環として開かれたことだ。

パネリストは自分のプロジェクトの
インターンを募集するのが目的だったみたいだ。

50~60人いた聴衆はほとんど全部文系、
大半が大学院生という構成。

DHは便利な言葉として、
ややバブリーに使われているけど、
こんな調子だと、すぐに熱が冷めるんじゃないだろうか。

文化系統学への招待: 文化の進化パターンを探る文化系統学への招待: 文化の進化パターンを探る
(2012/05/21)
中尾 央、三中 信宏 他

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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

未来よりも過去に関心があるお隣さん
今日ハーバードで聞いてきた、
科学史が専門の韓国人プロフェッサーの講演が、
あまりにも興味深かったので書いておく。

韓国では「スターウォーズ」はまるで人気がないのだそうだ。
「スタートレック」にいたっては、ほとんど知られていないらしい。

韓国で人気なのは未来の物語ではなく、
民族、歴史、家族、ロマンスといった、過去と現在のドラマで、
SFは子ども向けの幼稚なものと考えられていると。

「スタートレック」の冒頭の有名なセリフ、
"to boldly go where no man has gone before"
(未踏の果てを果敢に行く)
を韓国のある有名な科学系大学の学生にみせて感想を聞いたところ、
「未踏の果てなんてところへ、どうして行かなきゃいけないのか?」
という意見に大いに落胆したとのこと。

SFというジャンルは70~80年代にはあったが、
いまはソウルの大きな書店へ行ってもSFの棚は存在しないとも。

つまり、科学技術で未来を築くという発想が現在の韓国社会に乏しく、
民族のアイデンティティーを求めて過去ばかりみていることを、
韓国人の彼は自嘲気味に語っているのだ。

サムソンやヒュンデの躍進をみれば、
彼の説がどこまで有効かは一考の余地はあるけれど、
「スターウォーズ」や「スタートレック」のように、
現在のネイションが解体した後の世界などは韓国の現実とはかけ離れているし、
領土の拡張を内包している物語は、植民地であった歴史と相性が悪い。
ましてや「スターウォーズ」のように親子が戦う話は、
儒教倫理にはそぐわない。

ぼくたちはこのお隣さんと、
未来志向の関係をなかなか築けないでいるのだけど、
こういう知性を持ったひとを知り得たことは収穫だ。

テーマ : 文明・文化&思想
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