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マンガ・アニメの性描写規制について思うこと
4月9日の朝日新聞に、「マンガ・アニメの性描写規制」をめぐって、
アグネス・チャンさんと竹宮惠子さんへのインタビューが載っていた。

アグネスさんは規制の強化に賛成、竹宮さんは反対である。

ぼくはこの問題について、あるマンガ家さん筋から相談を受けたことがあった。
まるで関心がないわけでもないので、ちょっとだけ書いておく。

アグネスさんの論点は、つぎのようにまとめられる。
・規制は表現の自由を奪うものではない。
・日本の現状は、外国(=西洋)から非難されている。
・性虐待の描写をみた子どもは、それを肯定するようになる。
・特別な「趣味」を守る必要はない。

それに対する竹宮さんの論点は、こうだ。
・ポルノ/非ポルノの線引きはできず、杓子定規な対応を招き表現の自由が奪われる。
・18歳まで無菌状態にしておくことこそが問題である。
・権威に対抗することがマンガの持ち味である。


さて、アグネスさんの論点には、つぎのようなことが暗黙の前提になっている。

・大人と子どもは違い、子どもは無垢な存在として守られなければならない。

これは西洋近代的・キリスト教的文化に特徴的な発想である。
アグネスさんが性描写規制に熱心なことと、
彼女が敬虔なカトリックであることとは、
根っこでつながっている。

西洋近代的・キリスト教的児童観を具現化したようなユニセフが
日本のマンガ・アニメに蔓延しているという
「準児童ポルノ」(実在しない児童のポルノ)を強く非難し、
アグネスさんが日本ユニセフ協会大使の肩書きを持つことも、
もちろん深くつながっている。

つまり、アグネスさんの論点は、
西洋近代キリスト教文化圏の道徳観に、
すばらしく適合しているということなのだ。

それから、アグネスさんの3点目は、あきらかにまちがっている。
それは規制がおおらかな日本と、厳しいアメリカとでの、
性犯罪の発生率を比べてみたらいい。

さて、竹宮さんの論点は、
アグネスさんの、というよりも、
西洋近代的・キリスト教的児童観と対立する要素をはらんでいる。

というよりも、西洋的な児童観が入る以前の、
日本の児童観の残滓がみられるということだ。

ポルノとそうでないものとの線引きができないこと、
日本のお役所の体質を考えると、
法制定が杓子定規な規制に直結すること、
それらは疑いないと、ぼくも思う。

また、「準児童ポルノ」が
アグネスさんがいうように、特殊な「趣味」だといい切れるか、
ぼくには自信がない。

大量の「準児童ポルノ」もまた、
日本のマンガ・アニメ文化の無視できない要素だ。
それに蓋をしてマンガ・アニメを世界に誇るクールな文化として、
国策に利用しようとする動きにも大いに疑問がある。
「誇れるマンガ」と「そうでないマンガ」があるのだと、いわんばかりに。


だが、「準児童ポルノ」の擁護者たちは、
西洋近代的・キリスト教的価値観に対して、
他の文化圏からも理解を得られるような反論ができていない。

それは竹宮さんひとりの課題ではないのだ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

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