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ジョブズと『弓と禅』
CIMG0418.jpg

ヘリゲルの『弓と禅』に、新しい帯が付いて売られていた。

典型的な「帯買い」をした。



スティーブ・ジョブズの生涯の愛読書!
彼の人生に大きな影響を与えた「禅」、
その道に傾倒した若き日のジョブズが出会った運命の一冊。
すべてはここから始まった…




これが、ジョブズ本のコーナーに並んでいた。

たしか毎日新聞で、ジョブズがこの本を読んでいたと紹介をされたので、
版元さんが増刷をかけて、この帯を付けたみたいだ。

こうやって、古典が新たな読者を得るのは、いいことだ。

『弓と禅』を読み終わったら、
つぎはぜひ『禅という名の日本丸』を読んでほしい。

禅という名の日本丸禅という名の日本丸
(2005/04)
山田 奨治

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2011年12月24日追記:

このエントリは人気があるようなので、
『禅という名の日本丸』での論点をまとめておく。

まず、ヘリゲルの書いたことはいくつかの基本的な事項で、事実と異なる。
たとえば、弓を修行した期間をヘリゲルは6年と書いているが、
事実関係を照らし合わせると3年とちょっとである。
ヘリゲルは日本語がほとんどわからず、
師匠とのやりとりを正確に記録してはいない。
なかでも、「暗中の的」のときの師匠との会話はあやしい。
「それが射る」も誤解である可能性がたかい。

ヘリゲルは日本に来る以前に、ハイデルベルクの日本人留学生から禅の知識をかなり得ていた。
来日前に禅についてのドイツ語のアンソロジーの編集もしていた。
西洋での禅の紹介者になるのだという、野心すらあったようだ。
日本に来て禅を知ったという『弓と禅』のプロットも、事実関係をみると成り立たない。
ヘリゲルの師匠が説いたのは独自の宗教的な弓術であって、禅そのものではなかった。

帰国後ヘリゲルはナチ党員になりエルランゲン大学の学長にまでなった。
戦後はナチスへの「消極的な同調者」と認定され、公職を追われた。
以上の事実を、ヘリゲルの紹介者らはひた隠しに隠してきた。

日本文化はすばらしいと、西洋人からお墨付きをもらう――
ヘリゲルの『弓と禅』はそのような目的のために、
日本側によって、無批判に利用されてきた。


ジョブズが愛読したという、不確かな宣伝文句も、
けっきょくはそういう構図を反復しているだけのことなのだ。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

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