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公益を害する官の論理
朝日新聞で連載されている「プロメテウスの罠」がおもしろい。

学術研究に官が介入して、
どれほど公益を害することになったかが、
極めて具体的に書かれてある。

8日の記事には、
原発事故が起きているのに、
放射線の観測予算が打ち切られそうになったときに、
研究者同士が消耗品をこっそり融通し合ったとあった。

それを読んだとき、
こんな風に書かれるとまずいのではと思ったが、
やはりその後、ひともんちゃくが起きたようだ。

誰がそんな融通をしたのか、文科省が調べはじめたのだそうだ。

そのことを今日の記事では、
「半世紀以上も続いてきた観測が途絶えることには興味を示さず、継続のために研究者が融通し合った消耗品の行方には過敏に反応する」と皮肉っている。

これほど官の体質を言い当てた表現はない。

官は学術的な必要性よりも、研究者にルールを守らせることに関心がある。

記事によると、融通した消耗品分を返金してもらわねばならず、
それは財務省の指示だと文科省の官僚はいう。
かたや財務省の官僚は、予算執行は各省の責任でやることだとうそぶく。

国家の大事にあたってではないにしても、
国立大学など公的機関に所属する研究者に対する
官からのこの種の圧力は、日常的にある。

国の予算の場合、だいぶゆるやかになったとはいえ、
原則として年度内にお金をきれいに使い切らないといけない。
1円たりとも残してはいけないのだ。

仮に創意工夫をして予算を節約したら、
褒められるのが常識だと思うのだが、
官の論理では、それは当初の計画が甘かったせいだとマイナスにみられる。
どうして予算を使い残すことになったのか、
なぜそれを次年度に繰り越さないといけないのかの説明を要求される。

たとえ原発事故のような危機に対応するためであっても、
消耗品を「こっそり融通」したら、それは「不正」になる。

かくも、官の論理は世間の常識からかけはなれている。
だから、無駄遣いや研究費の「不正使用」が後を絶たない。


「プロメテウスの罠」は、ぜひ書籍化してほしい。

テーマ : 研究者の生活
ジャンル : 学問・文化・芸術

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