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Wikipediaブラックアウトの影響力
SOPAとかPIPAとかいう、
アメリカでのネット規制強化の法案に反対して、
今日、英語版のウィキペディアがブラックアウトしている。

そのおかげで、SOPAやPIPAのことが、
日本のメディアで広く紹介されることになった。

(先週までは、日本の新聞記者さんにSOPAのことをいっても、
何それ?という顔をされるだけやったけどね。)

影響力のあるサイトが直接行動に出るというのは、
すごい威力のあることなのだなあ。

それにくらべて、一研究者ができることは小さい。

ちなみに、これらの法案が通ったら、
ニコ動なんかも影響を受ける可能性があるわけで、
日本のネット企業も他人事ではないはず。

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

著作権:テレビ制作者のホンネ
『対話としてのテレビ文化』という本を、
編者の岩渕さんからいただいた。

そのなかに、テレビ演出家の今野勉さんの、
座談会での興味深いコメントが載っていた。



今野 ぼくも告白しますと、去年上海でロケをして歴史的な番組を制作したときに、その時代の中国の写真が何百枚と必要だったんですが、ハリウッド的にいうと一枚五万円くらい取られるものを、ほとんどただ同然で使わせていただきました。著作権について、無条件に守ってもらわないと困るという主張もありますが、一枚五万円ずつ取られていては、いまの制作費ではほとんど日本の番組、特に歴史的なものはできないと思います。
(中略)
ぼくは逆に言えば、中国が著作権を認めていないのでものすごく助かったんですよ。あまり大きな声では言えませんが。基本的には著作権は守ってもらわなくては困るけれども、そういう現実もわれわれの身近な問題として常にあって、何でもかんでも著作権と声高に言っている場合じゃないこともあるということを、ちょっと知っておきたいですね。
『対話としてのテレビ文化』、263~264頁




文中「中国が著作権を認めていない」というのは訂正が必要だと思うが、
テレビ制作者のホンネがよくあらわれている。

テレビ制作者は権利者であると同時に、著作物の利用者でもあり、
後者の立場からいえば、厳格に権利を守ろうとすると、
かえって制作が困難になるということだ。

だけど、そういうことを「あまり大きな声で言えない」世の中の雰囲気があって、
表向きにはやはり権利は守ってもらわなくては困るといわざるを得ない。

しかし今野さんのような優れた制作者にこそ、
「何でもかんでも著作権と声高に言っている場合じゃないこともある」
と、それこそ声高に、堂々と主張してほしいと思う。

対話としてのテレビ文化: 日・韓・中を架橋する (叢書・現代社会のフロンティア)対話としてのテレビ文化: 日・韓・中を架橋する (叢書・現代社会のフロンティア)
(2011/12/20)
岩渕 功一

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自炊代行提訴:出版業界は読者のニーズに応えよ
出版業界が、自炊代行業者を提訴したそうだ。

本棚があふれて、仕方なく蔵書の一部を電子データに変えて持っておくというケースなら、
自炊代行もありだと思う。
だけど、ネット書店で買った新刊本を自炊代行業者に直送してもらって、
データだけ受け取るという使い方を、ぼくはしようとは思わない。

読書体験とは、本ごとに異なる重さや厚さ、紙の質感、インクの色合い、
活字や装丁の鑑賞も含む、物理的で総合的な体験だと思うから、
それを最初から放棄する気はない。


だけど、自炊代行の利用が増えるということは、より自由度の高い電子本への、
読者のニーズが確実にあるということで、
代行業者が増える原因は、
使い勝手の悪いサービスしか提供しない出版業界にもある。

現在主流の電子出版は、読者ニーズを満たしていないということでもある。
多くはプラットフォームが固定されているし、
電子書籍への限定的なアクセス権が認められるだけで、
電子データを「所有」できるわけではなく、譲渡もできない。
自分が買った本のリストを、知らないひとに持たれてしまうような仕組みにも抵抗がある。

電子版で書籍を「買う」という表現は実はまやかしで、
書籍データへの限定的なアクセス権が買えるだけのことだ。
それならば、紙の本をスキャンしたほうがよく、
料金が安ければ代行してもらいたいと考えるひとがいても、おかしくない。


それにしても、あいも変わらず作家たちが会見させられ、
訴訟に名前を連ねさせられているが、
人気作家でも取り分はたかだか10~15%である。

残りの90%近くを持って行くひとたちのために、利用される作家たちが気の毒だ。

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ウィニー裁判、私的録画補償金訴訟
年末でバタバタしているあいだに、
著作権関係で大きな出来事がいくつかあった。

まずは、ウィニー裁判での最高裁無罪判決。

元東大助手のひとが逮捕された2004年5月に、
ぼくは京都新聞につぎのようなコラムを書いた。

・長期的にみれば、今回の逮捕は誰の得にもならない。
・消費者にとってコンテンツが高価なものである限り違法ファイルの流通は止まらないのに、権利者は法律を厳しくして違法なことを増やして抑え込もうとしてきた。
・開発者が萎縮するとイノベーションが滞り、権利者にとっても新ビジネスの可能性が減る。
・著作権法を変える委員会の委員構成には偏りがある。

逮捕は京都府警ハイテク犯罪対策室の勇み足だと思っていたが、
そういう認識が最高裁判決でも認められたわけだ。
もちろん、開発者が逮捕されることで改良ができなくなり、
その間にウィニーによる情報流出が多発したことの責任が、
京都府警と検察にあることはいうまでもない。
(とはいっても、たぶん誰も責任を問われることはないだろう。)


もうひとつは、私的録画補償金の徴収協力義務違反をしたとして、
私的録画補償金管理協会(SARVH)が東芝を訴えた裁判の2審で、
東芝側が再び勝ったこと。

ぼくの意見は、去年の12月28日のエントリのとおり。
さらにいうなら、ダビング10がかかっている録画機器にまで、
補償金をかけるのは根拠が薄いと考えている。

SARVHとしては存続にかかわる問題だけに、必死だろう。

私的録画補償金として徴収されている金額は、
年間25億円くらいだろうか?(今年度は震災の影響で、かなり落ち込みそう)
映像産業の市場規模からすれば、微々たるものだ。
補償金がなくなっても、映像産業にとっては、たいした打撃にはならない。

私的録画補償金がなくなったら困るのは、SARVH自身だけなのでは?

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TPP:日本はスネ夫になるのか
TPPを農業対工業の問題だと国民に思わせようとしてきたのが、
政府ならびに大メディアの作戦のようだったけど、
ISD条項やなんかが知れ渡るようになって、
その手は通用しなくなってきた。

そう、
関税率のことよりも、
非関税障壁の撤廃と称して、
国に固有の制度を破壊してしまうことが、
TPPのいちばんの問題なんだ。

著作権関係でいえば、
保護期間延長と非親告罪化は、
まちがいなく対象になる。

それに、そもそも、著作権のことは、
国民的な関心事になっていない。
というより、国民に気付かれないように、
業界が好き放題に制度をいじってきた分野だから、
業界のロビイングが強い方向性へと、
交渉は自然に進むだろう。

つまり、保護期間は延び、非親告罪化されることになるだろう。
それは、ある意味、日本側が望むことでもあるから、
譲歩にはならず、交渉の取引材料にもならない。



アメリカがジャイアンなら、
TPPで日本はスネ夫になって、
アジアののび太たちから、
搾取する片棒を担ぐ国になるということ。

アジアの成長を取り込むとは、そういうことだ。

ついでに、自分のところの雇用も差し出して、
ジャイアンのご機嫌を取るということ。

結果として、これから10年のあいだに、
日本でおそらく数万人くらい自殺者が増えるだろう。

TPPに参加するということは、
アメリカの雇用を生み出すために、
日本国民の命を差し出すことも、いとわないということだ。

しかし、それをもって売国だのなんだのと、
ナショナリスティックな言論と結びつけることには同調できない。

これは、ジャイアンなアメリカと、アジアの隣人たちとのあいだで、
日本がどのようにして、名誉ある地位を築くことができるかという問題だ。

推進派は、いずれ中国もTPPに取り込むのだといっているらしいが、
ルール作りに乗り遅れると不利だからと、急いで交渉に飛び込んだくせに、
ルールが出来上がったところへ中国を入れるのだといっても、
ぜんぜん説得力がない。
それが妄言であることは、子どもでもわかる。

交渉に入れば情報を出すと政府はいうが、
そんなことを期待できるはずがない。

だって、これは外交交渉である。

アメリカが要求する秘密主義のことは、
交渉参加国のあいだで、すでに問題になっている。

国民は何も知らされないままに、
業界のプッシュを受けた政府の一存で、
交渉はまとめられるだろう。

著作権にかんしては、
文化審議会なんかをすっとばして、
TPPで強化をこっそり決めてもらうことを、
業界ならびに経産省は待ち望んでいる。

またしても国民は蚊帳の外に置かれ、
どこかで決められたことに、従わされるだけの存在となる。

もちろん、これらの予想がはずれることを願っている。

テーマ : 日本文化
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TPP交渉参加:政治判断という名の官僚言いなり
野田首相がTPP参加に意欲的だ。

最終的には政治判断をするのだというが、
それは、経産官僚の言うとおりにする、という意味のようだ。
(Mという経産官僚の個人名が取りざたされているが、真偽のほどは確認してない。)

G20で消費増税10%という、
国内でも民主党内でもコンセンサスのないことを、
勝手に国際公約してきたのも、
さしずめ財務官僚のいうことにしたがったのだろう。

官僚の言いなりになっているこの内閣に、
TPP交渉をまかせたら、危ない。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

『〈海賊版〉の思想』の韓国語版が出た
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2007年に出した『〈海賊版〉の思想―18世紀英国の永久コピーライト闘争』(みすず書房)の韓国語版が出版された。

まだ現物をみてはいないのだけど、
みすず版のシックなデザインとは対照的に、
にぎやかなカバーになっている。

自動翻訳にかけてみると、
タイトルは『海賊版のスキャンダル』らしい。

ぼくは韓国語はまったくわからないので、
翻訳の質は判断できない。
でも、翻訳者のかたから、
よくわからない箇所について何度も問い合わせがきたので、
誠実な翻訳になっていると期待している。

中身をチラ読みできるサイトが、ここにある。

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

地デジの画面撮りは技術的保護手段の回避なのだろうか
昨日のエントリーで、地デジ放送のコピーの不自由さから、
テレビ画面のビデオ撮りに回帰しているということを書いた。

それからつらつら考えたのだけど、
地デジ放送の画面撮りは、
著作権法が禁じる「技術的保護手段の回避」になるおそれはないのだろうか?

あまりに原始的な事態なので、
そんなこと、これまで考えてみたことがなかった。

ちゃんとした法律家の意見を聞いてみたいところだ。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

地デジ化が終わって、画面をビデオカメラで撮る時代がやってきた
地デジになって、テレビ番組のコピーが不自由になってから、
テレビ画面をビデオカメラで撮る時代になったようだ。

かつて家庭用ビデオがなかった時代、
テレビのまえにラジカセを置いて、
物音を立てないように息をひそめて、
せめて音声だけでも記録しようと、
いまから思えば涙ぐましいことをしていたが、
そんな時代に逆戻りしてしまったような気がする。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

音楽はフリーじゃない! by RIAJ
日本レコード協会(RIAJ)の
Love Musicキャンペーン
(別名、Music is not free!キャンペーンか?)
がおもしろい。

http://www.riaj.or.jp/lovemusic_cpn/

「ダウンロード違法化」を定めている
著作権法30条1項3号の「読上げコンテスト」をやっている。

「お手本」朗読者は、なんと林原めぐみさん。

「ダウンロード違法化」を決めたときの委員会の、
メチャクチャな議論の議事録を読んだことがある。

大事なのは誰がどう話し合あった結果、
そうなったのかであるのに、
そこから出てきた条文だけを、
聖書か論語みたいに音読させるなんて、
なんという著作権教育だろう。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

古い映画を映画館で自分用に撮影しても罰則はかからないはずなのですが
子どもが「サウンド・オブ・ミュージック」を映画館でみてくるというので、
本編のまえに、例の頭がハンディカムの男のパントマイムが出てきて、
「盗撮」すると懲役や罰金になるぞと呼びかける映像が流れるかどうか、みてきてもらった。

結果は、やはり流れていたとのこと。

映画館で映画を「盗撮」すると、
「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方」
が科せられるが、
その根拠は平成19年にできた「映画の盗撮の防止に関する法律」にある。

ところが、この法律には留保条件があって、
国内での最初の有料上映から8ヶ月を過ぎた映画には適用されない。

つまり、「サウンド・オブ・ミュージック」みたいに、
公開から45年も過ぎた映画ならば、
自分があとからみる目的で映画を撮影しても、
罰則はかからない。

映画館は、そこのところを伏せて、
観客にわざと誤解を与えているわけだ。


「映画の盗撮の防止に関する法律」はもともと、
受益業界が自民党の政治家に働きかけて、
国民に気づかれるまえに、
超スピード審議で法律にしてしまったもので、
その成り立ちにはとても問題が多いのだ。

だから、この法律の使われ方には、
わたしたちは注意をしなければならない。


といっても、映画館で映画を撮影するのは、
ほかのお客さんの迷惑になることがあるので、
おすすめはしません。

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

「ひこにゃん」対「ひこねのよいにゃんこ」落としどころは?
「ひこねのよいにゃんこ」グッズの販売を、
一転して大阪高裁が差し止めた。

このままの流れでいくと、
「ひこにゃん」的なキャラクター・グッズは、
彦根市に著作権がある3ポーズと、
原作者の絵本しか存在することが許されなくなってしまう。

これは、彦根市にとっても原作者にとっても、
ひこにゃんファンにとっても、不幸な結末だ。

「よいにゃんこ」の在庫を抱えた企業が、いちばんたいへんだろう。

みんながハッピーになれる落としどころは、
原作者が3ポーズ以外の「ひこにゃん」グッズを彦根市に許し、
彦根市はロイヤルティを原作者に支払うことではないか。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

泥仕合になってきた「ひこねのよいにゃんこ」
「ひこにゃん」に類似した「ひこねのよいにゃんこ」を、
彦根市が駆逐しようとしている問題。

販売差し止めの仮処分が12月に地裁で却下されたので、
こんどは損害賠償を求める裁判を起こす気らしい。


ぼくがこの問題に関心がある理由は、
著作権を守るのは著作者を守るためだという、
権利者がよく使うレトリックが、
ここでは見事に崩壊しているからだ。

著作者と著作権者は、往々にして別の存在なのだ。

この場合、
「ひこにゃん」も「ひこねのよいにゃんこ」も、著作者は「もへろん」氏。
「ひこにゃん」の著作権者は彦根市になっている。

著作権者というものは、
自己の権益を守るのに役立つとみたら著作者をリスペクトしろというが、
そうでなければ著作者をニグレクトする傾向があることを、ぼくは感じている。

彦根市の場合は訴訟を起こしているわけだから、
ニグレクトどころか、オブストラクトだな。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

タイのドラえもんの仏教壁画
タイの寺院に描かれた仏教壁画に、
ドラえもんが紛れ込んでいることが話題になってますねえ。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/225340

小学館や藤子Fプロは、
著作権のことを何かいいますかねえ。
たぶん、積極的には何もいわないと思いますけど。

日本のマスコミや著作権ウォッチャーが騒いで、
お寺側が消してしまうかもしれませんね。

権利者に大損害があるわけじゃなし、
それでタイのひとが親しみを感じてくれるなら、
マーケティング的にもOKだろうと、ぼくは思います。

ちなみに、日本の社寺にも下のような石像があちこちにあるけど、
撤去しろなんて権利者はいってませんから。

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テーマ : 日本文化
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「ひこねのよいにゃんこ」も負けてない
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著作権騒動が絶えない、「ひこにゃん」と「ひこねのよいにゃんこ」。

(作者はどちらもおなじだが、「ひこにゃん」の著作権は彦根市が買い取っている。)

彦根市内の土産物店では、
あまりみかけなくなった気がする「よいにゃんこ」だけど、
長浜市では元気いっぱいだった。

この店では「ひこにゃん」よりも取り扱いが大きい。

どちらもおなじ作者だとPRしてるし。

「よいにゃんこ」のキャラメルとかの、
キャラクター・グッズもだんだん増えているみたいだ。

知名度抜群の「ひこにゃん」じゃなく、
わざわざ「よいにゃんこ」を選んでグッズを作るのには、
どんな事情があるのか、知りたくなった。

テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

これが台湾の「松阪豚」かあ
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こんどは台北へやってきた。

夕食で入った豪華レストランで、
「商標乗っ取り」でウワサの
「松阪豚」の文字がメニューにあったので、頼んでみた。

でてきたのは、どうみてもハムだ。
味は悪いとまではいわないが、
どうも人工的な味がする。

上にはガリが載っている。

添加物のせいか、最後のほうになると
あまり食べたくなくなってきた。

「松阪牛」にあやかりたいのなら、
もう少しちゃんと作ったら?
と、思ったのでした。

テーマ : 台湾
ジャンル : 海外情報

私的録画補償金訴訟・SARVHは消費者に直接請求してみたら?
私的録画補償金管理協会(SARVH)と東芝との裁判、
昨日の地裁判決で東芝の勝訴になった。

どういうことかというと、
私的録画補償金は、ユーザーがデジタル機器でもって、
高品質なコピーを際限なく作ってしまうことへの補償として、
機器の値段に上乗せされている補償金なのだ。

著作権法では、補償金の支払い義務は購入者にあるのだが、
メーカーには補償金集めの協力義務がある。

ところが、
地デジにはダビング10というコピー制御がかかっている。
権利者も合意した回数のコピーしか作れないのだから、
補償金を取る根拠はないというのが東芝の主張。

それで東芝は、ある機種について、
購入者から補償金を集めないでいた。

SARVHは、それを補償金集めの協力義務違反だと訴えたのだ。

コピー制御のある機器に補償金をかけられるのか、
この問題は文化庁の委員会で3年近く議論したけど、
利害関係者の意見が鋭く対立して、結論を出せなかったのだ。

判決では協力義務には法的強制力はないとされた。
そうなると、SARVHは購入者に補償金を直接請求しなければならなくなる。

ぼくは、購入者に直接請求してみてはと思う。
そうすれば、この問題に対するみんなの関心が深まり、
国民的な議論とコンセンサスを作り出す土壌ができるかもしれない。

テーマ : 法学
ジャンル : 学問・文化・芸術

クリエイターに国が補助金を出すと何が起こるだろうか
こないだ、ある農家へのインタビューをテレビでやっていた。

国から補助金をもらっても、そのぶん仲買人に買いたたかれるので、
けっきょく農家には一銭の補助にもなっていないのだという。

末端の生産現場への公的支援の難しさを、考えさせられた。

コンテンツ業界で、
クリエイターに国が補助金を出しても、
そのぶんが頭のいい流通業に吸い上げられてしまって、
けっきょく個々のクリエイターの助けには、
ならないことになりはしないだろうか。

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

尖閣沖衝突映像流出事件を著作権侵害で訴えたらどうなるか
公務員の守秘義務違反だとか、窃盗罪だとかいっているが、
これを著作権侵害にしてしまったらと考えてみた。

国家公務員法の守秘義務違反だと、1年以下の懲役または3万円以下の罰金。

刑法の窃盗罪だと、10年以下の懲役または50万円以下の罰金。

著作権侵害ならば、
個人なら10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方。
法人なら3億円以下の罰金。

日本はなんと「進んだ」著作権法を持っている国だろう。

さあ、政府はどうする?

テーマ : 時事ニュース
ジャンル : ニュース

フリー・スピーチ・ムーブメント・カフェで言論の自由を考える
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カリフォルニア大学バークレー校に、
「フリー・スピーチ・ムーブメント(FSM)カフェ」
というのがある。

1960年代のFSMを記念したカフェだ。

FSMとはひらたくいえば、
大学での言論の自由を守るために起こった、
学生たちによる非暴力の抵抗運動のことだ。
60年代の世界に波及した学生運動の原点だともいわれている。

学生だろうが学者だろうが、
言論の自由は、必死で守るに値するものだと思う。

日本の大学はどうだろうか?
言論の自由は、守られているかと思うと、そうでもない。

そんなことはいうなとか、あんなことを書くなとか、
ムラ社会的な有形無形の言論抑圧はある。

ぼくが気になるのは、著作権がときに言論抑圧の手段として使われていることだ。
批判されるのがいやだから図版の許諾を与えないとか、
書いていることが気に入らないからと、引用を著作権法違反で訴えるとか。

文章の引用には長い歴史があるから、
ちゃんとした引用が抑圧されることはほとんどないが、
図版の引用については、
日本の権利者の多くは意識が未成熟だといいたい。

学者は運動しなくてはならないのだとは思うが、
授業と雑務で疲弊していて、とてもそんな元気はおろか、
研究すらできないのが日本の大学教員の現状だ。

そんなことでいいのか……、と、FSMカフェでつらつらと考える。




アメリカのコーヒーのSサイズは、日本のLサイズ以上。
うっかりアイスクリームなんか注文したら、
ゆうに3人分は盛られてくる。

テーマ : 思うこと
ジャンル : 学問・文化・芸術

電子書籍の「自炊」はどうなるのか
電子書籍をスキャナで自作することを「自炊」というらしい。
なかなかうまい俗語だ。

ぼくもコピーでしか手に入らないような、
古い古い本の「自炊」をはじめてみている。

コピー資料は重くて場所を取るし、
よほど上手に整理しないとあとで探しにくいから、
電子化のメリットは大きい。

でもこれって、新刊本でも「自炊」で電子化してしまえば、
友だちにコピーをあげるなんてことは、
コピー機にかけるよりも、ずっとずっとかんたんにできてしまう。

いまの著作権法では、私的な使用のための複製は認められているけど、
デジタル化については認めるべきではないとか、
デジタル化した書籍にコピー制限をかけろとか、
「自炊」ができる機器に補償金をかけろといった主張が、
どこかの団体から出てきそうな気がしてきた。

テーマ : iPad
ジャンル : コンピュータ

千葉のチーバくん
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2010年千葉国体のマスコット・チーバくんのお菓子を
千葉の友人からもらった。

関西ではほとんどなじみがないキャラだけど、
千葉県の形そのまんまやん!

だからチーバくんはいつも向かって左を向いていないとおかしなことになる。

だけど、弓道みたいに反対を向いてないと絵にならない競技をさせると、
チーバくんにはちょっと苦しいことになる。

さて、このチーバくんにはホームページやブログまであるのだ。

ここにはチーバくんの利用規程なんかも載っていて、
なかなか参考になる。

チーバくんを商業利用すると、小売価格の3%が千葉県に入る。
また、チーバくんの着ぐるみは、
千葉県民1000人以上のイベントなら無料で貸してくれる。


着ぐるみ使用の注意事項を読むと、こんなことが書いてある。

素肌が直接着ぐるみに触れないように、長袖、長ズボン、軍手等を着用すること。
「チーバくん」のイメージを保つため、着ぐるみ着用時は声を出さないこと。また、関係者以外の目に触れる場では着脱しないこと。
使用後は、消臭スプレー等を使用して、手袋は裏返しにして、風通しの良いところで陰干しし、十分に乾燥させてから返却すること。
チーバくんの体は柔らかいため、頭を下にして保管すること。


イメージを壊わしそうな注意事項だが、
これがリアルな世界の現実ということか。

テーマ : 雑学・情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

「パクリ」のシンポに出てきました
昨日、京都精華大学であった「パクリ」についてのシンポジウムに、
パネリストとして呼ばれて参加してきた。

学生さん中心に、主催者発表で100人来られたということだ。

いろんな論点が出て、まとめ役の佐藤守弘さんが苦労されていた。

議論のなかで印象的だったことをひとつ。
増田聡さんは、
デッドコピーのような「機械的複製」と、
他の作品から影響されてする「人為的模倣」とが、
いまのパクリ批判ではいっしょくたになっているという。
前者は非難してもいいが、後者は認められるべきだということ。

ぼくも基本的に賛成だ。


聴講者の方から、「パクリの積極的な面は?」という、いい質問が出た。

ぼくは、ふたつの側面から答えた。

作品を経済財とみる立場からすれば、
「パクリ」は市場の創世と拡大効果を持つ。
マーケティング努力をしなくても、
「パクった」ひとたちが市場を作ってくれるのだ。
これは国境を越えた「パクリ」で顕著にみられる。

人間的な営みの面からみた「パクリ」の効用とは、
それは「自己発見につながること」だと答えた。

「パクリ」(この場合「模倣」)をしてみて、
どうしても「パクリ」きれない部分に、
自分の進むべき道がみえてくるのだ。


ただ、文化コモンズと「パクリ」の関係について、
伊藤公雄先生から尋ねられたが、
短い時間でうまく説明することができなかった。
反省。


ぼくの書いたものを専門家のかたがたが、
けっこう読んで下さっているようで、
うれし恥ずかしだ。

テーマ : 研究会・勉強会
ジャンル : 学問・文化・芸術

労働なき富、呪われた発表
鳩山さんが昨日の施政方針演説で、
「労働なき富」は社会的大罪だといった。

それは(母親からべらぼうなお金をもらっている)おまえのことだ、
というヤジもさることながら、
著作権についての先日の発言とも矛盾する。

11月18日に日本音楽著作権協会でのあいさつで、
著作権の保護期間をいまの著作者の死後50年から70年にするよう
最大限の努力をすると、彼はのたもうた。

死後存続の著作権なんて、
「労働なき富」を生み出す、さいたるものですよ、
鳩山さん。




今日の研究会の発表では、
あまりないような、システム・トラブルにみまわれた。
直前まで動いていたプログラムが、
プレゼンのときに動かなくなったのだ。
持ち時間内になんとか対処したけど、
妖怪ネタの話をするときは、
こんなことが起こるから、
やっぱりこわい。
原因はいまだに不明……。

研究会のあとの懇親会で、
ブログを読んだという女子学生さんと出会った。
そういうひとはたぶん、これでふたりめかな。
「バナナの美味しい食べ方」の回を
気に入ってくれたみたいだった。

読んでくれているひとがいると、
うれしいから、がんばって書こうという気になる。

どうも、ありがとう。

テーマ : 日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

著作権70年?冗談はよしてください、鳩山さん
18日にあった日本音楽著作権協会(JASRAC)の70周年記念祝賀会で、
著作権を70年にするよう最大限努力をすると、
鳩山首相が挨拶したことが波紋を呼んでいる。

この問題は各方面を巻き込んだ3年間のオープンな議論の末、
70年延長は拙速だという結論が、
文化審議会の委員会で出たばかりのはずだ。
延長すれば文化の発展をむしろ阻害し、
経済的なメリットは限定的だという論文は、いくつも出ている。

なのに、なぜ?

そもそも首相が忙しい中JASRACの祝賀会に出席したこと、
そこで延長のために努力すると、わざわざ発言するにいたった、
そのウラを読みたくなる。

鳩山政権の教育文化政策には、
いまのところビジョンが感じられない。
国立大への運営費交付金にいたっては、
地方大学はすでに青息吐息なのに、
さらに削減の土俵に乗せるなんて、どうかしている。
短期的には予算を浮かせることができても、
長期的なデメリットは計り知れない。
ぼくは国家主義者ではないけど、
教育研究を大事にしないで、国が栄えるはずはない。
また、国が栄えることと文化が栄えることはイコールだ。

著作権太りの巨額資金を持つ権利者団体に尾を振って、
文化の行く末を見据えない首相では、
この国の将来は暗いな。

(JASRACへの天下りを禁止する、
その給料や退職金分を創作者に還元しなさい、
くらいのことをいってほしかった。)

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

仲よくしてね、ひこねのにゃんこたち


7月に彦根へいった。
それからぼくのかばんには、
2匹のにゃんこが付いている。
「ひこにゃん」と「ひこねのよいにゃんこ」だ。

いま、このこたちが、騒動に巻き込まれている。

「ひこにゃん」も「ひこねのよいにゃんこ」も、
作者はおなじひと。

「ひこにゃん」の著作権は彦根市が持っていて、
かなり厳しく管理している。
「ひこにゃん」を使ったグッズには、
すべて彦根市の許諾番号が入っている。

そこへ、「ひこにゃん」の作者が
「ひこねのよいにゃんこ」を作った。
その経緯は複雑だから省くけど、
「よいにゃんこ」は、
彦根市が持つ著作権を侵害していると、
市側はいう。

著作権は著作者を守っているのだという、
欺瞞と誤解が露呈する展開になっている。

ぼくが『日本文化の模倣と創造』や
『<海賊版>の思想』で書いてきたように、
著作権は、「著作権者」を守っているのであって、
「著作者」を守っているのではないんだ。


彦根市のほうは強硬だ。
「よいにゃんこ」を売っている四番町スクエアに
販売中止を要請した。
スクエア側が従わなかったので、
市側はスクエアを運営する3セクから
副市長らの取締役を辞任させた。


四番町スクエアで、カップルが
「よいにゃんこ」を買おうとしていた。
彼女のほうが「ひこにゃん」じゃないことに気がついて、
「あぶない、あぶない」と
「よいにゃんこ」を棚へ戻していた。
まるでバッタもん扱いだ。
どちらもおなじひとの作品なのにね。

「著作者」と「著作権者」のあいだで
引き裂かれたにゃんこたち。
ぼくのかばんでは、仲よくさせてあげてます。



彦根へ行った目的は、四番町スクエアの
ハイパーソニック・サウンドを体験することだった。

人類が誕生した熱帯雨林の音環境を再現したもので、
人間の脳に必要な音情報が豊富に含まれている。
尊敬する情報環境学者・大橋力先生の渾身の作だ。

その空間にいるときは、それほど感じなかったけど、
離れたとたん、体の周りから何かが遮断されて、
空虚な感じになるのが、はっきりわかった。

これは体験しないとわからないので、
ぜひ彦根へ行ってみるといいよ。

テーマ : 思うこと
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